カンボジア公共事業運輸省は、首都プノンペンとベトナムとの国境を接するスバイリエン州バベット市を結ぶ第2の高速道路建設プロジェクトを11月10日中国道路橋協同組合 (CRBC)と枠組み合意しました。同中国企業は、カンボジア初の高速道路(プノンペン-シアヌークビル)を建設した企業です。バベット市はカンボジアとベトナムの国境に位置しており、この高速道路の建設によりプノンペンからスバイリエンへの道路に沿った州、そしてベトナムへの商品輸送と移動が容易になります。
プノンペン-バベットを結ぶ新高速道
カンボジア公共事業運輸省は、首都プノンペンとベトナムとの国境を接するスバイリエン州バベット市を結ぶ第2の高速道路建設プロジェクトに合意したと発表しました。当初は日本の国際協力機構(JICA)が調査を進めていましたが、最終的に中国企業が建設する運びとなりました。中国道路橋協同組合 (CRBC) は今後、同地域の調査を実施し今年の終わりまでにコンセッション投資に関する契約を準備し、2023年半ばから建設を開始する予定です。推定135km に及ぶプノンペン-バベット高速道路は、ベトナムとの接続性を高め、2つの国境の州間の経済関係を促進するように設計されており、特に輸出の成長に重点を置いています。カンボジア・バベットは、ベトナム・ホーチミンから60km程度の非常に近い場所に位置しています。ホーチミンは、南北ベトナム統一後もベトナムで最も重要な経済的中心地であることから、日本企業をはじめ世界中の企業が進出しています。企業数は国内外合わせて30万社以上存在しており、ハイテク産業・電器・機械加工及び軽工業を中心に同国GDPのおよそ半分を占め経済を牽引しています。そんなホーチミンにある工場地帯との近接性があることでバベットには、経済特区が集積しており多くの日系企業やアジア各国の企業が進出しています。高速道が完成すれば、物流機能向上により経済特区は更なる発展を遂げることは間違いないと思われます。
ベトナムの新高速道建設で新たなる希望
ベトナム第2の都市ホーチミン市とカンボジアとの国境ゲート・モクバイ(Moc Bai)を結ぶ高速道路が今年中に着工する見通しで、2025年の完工を予定しています。報告書によると、タイニン省モクバイ郡とホーチミン市を結ぶ53.5kmの高速道路は、少なくとも4車線で最高速度は120km/hとなります。新設される高速道路はホーチミン市とカンボジアを結ぶ重要な役割を果たし、カンボジア、ベトナム両国の新高速道が完成し結ばれることになれば、カンボジアの首都プノンペンまで繋がり経済的にも両国に大きな影響を与えるものと思われます。特にカンボジア側の国境都市バベットには経済特区(SEZ)が集積しており、日本の大手物流会社『日本通運』はカンボジア発の複合輸送サービス「NEXSAO – CAMBODIA SAT」の物流倉庫をバベットに新設しました。バベットの経済特区内で増加する日本向け貨物に対応するため従来のプノンペン発のほかに、バベット物流倉庫を拠点にホーチミン港まで陸送して輸出するバベット地区発・東京/大阪向けの混載サービスを開始しています。今後、高速道路の完成で、プノンペン-バベット-ホーチミンの物流効率が上がれば、経済特区のさらなる発展が見込めます。高速道路は、人や物の移動を活発にして地域経済の活性化をもたらします。地域経済が発展することで、不動産価格の上昇、当社物件価値の上昇に繋がるでしょう。