原油生産国と言えば、「アメリカ」「サウジアラビア」「ロシア」この3大生産国をイメージされる方が多いでしょう。そのほか世界各国で原油を生産している国もありますが、アジアでもカンボジアの隣国のタイやベトナムでも石油および天然ガスが商業生産されています。そしてカンボジアでも今年後半から、国内初となる原油生産が開始される予定です。以外に思われるかもしれませんが、現在原油生産に力を入れている国の一つですので、確認してみましょう。
カンボジア初の原油生産が始まる
カンボジア鉱業・エネルギー省は、2019年後半にもタイ湾沖アプサラ油田でカンボジア初となる原油生産を開始すると発表しました。同油田の開発はシンガポールの新興企業クリスエナジーが手掛けることとなり、アプサラ油田の第1期開発では日量最大3万バレルの生産を想定しており、生産開始後6年間で政府が受け取る歳入は、原油価格が1バレル当たり70~90米ドルの想定で9,000万~1億2,000万米ドルに達する見込みです。現在カンボジア国内には製油所がないため、同原油は輸出する方針となります。
原油の他にも「金」の生産も始まる
2019年1月24日付地元メディアによると、インド鉄鋼会社Mesco Steel社の子会社Mesco Gold社がカンボジア北東部Ratanakkiri州のPhum Syarung鉱山において、2019年中に精錬所を稼働し、金を生産開始する見通しとなっていることを明らかにしました。同鉱山では、品位2~3g/tの金鉱石を500t/日処理する計画で、早ければ11月に金の精錬を開始できるとのことです。生産が開始されれば、カンボジアで金を生産する初の企業になります。
カンボジアの鉱業・エネルギー省は、2019年後半もしくは20年から鉱業による収入が急増するとの見通しを示しています。金などの採掘が開始されれば、政府歳入に占める比率は現在の2.5%から20年には倍増する見通しです。
資源生産によってカンボジア経済はどうなるのか?
カンボジア・アプサラ油田の原油生産やラタナキリ州の金生産が始動すれば、輸出などによる政府歳入が増加してインフラ整備などに投資することが可能になります。カンボジアなどの途上国にとって資源歳入は大きなメリットとなり、経済成長に弾みをつけることになります。カンボジア国内には製油所がないためアラプサ油田の原油は当面は輸出向けとなる方針ですが、現在カンボジア・ペトロケミカル社と中国・神州長城国際工程の合弁企業により年間500万トンの精製能力を有するプラントをカンボジア南部の海岸に建設しています。投資総額は16億2000万ドル(約1820億円)、敷地面積390ヘクタールで、第一期は年間処理能力200万トン(投資額6億2000万ドル)、第二期は300万トン(同10億ドル)のプラントを建設する計画です。第一期を19年半ばまでに完成させ、22年に第二期に着工したいとしています。国内での製油が可能になれば、今まで輸入に頼っていた石油製品(ガソリンなど)が自国生産できるようになりますし、何より石油依存度低下による国内の物価安定に繋がってきます。ドル化により、他のアジア諸国よりも物価が安定しているカンボジアがさらに安定度を増すこととなれば、外国企業はカンボジアへの参入・投資を増加させるはずです。
まとめ
カンボジアはもともと労働力が豊富なことから、人的リソースを使った生産による経済成長が主な要因です。しかし、それだけではなく資源の生産も可能になることで、カンボジアの経済は益々成長することが予想されます。今後はカンボジアの経済成長により、当然ながら物価も上昇し、地価も連れて上昇することが見込めます。このような経済成長が見込める要因が多く集まっている今、まだ地価が上がり切ってないこのタイミングで、カンボジア不動産で投資をしてみる価値は大いにあります。