現地レポート

中国企業で溢れかえるカンボジア

中国が習近平体制になった2012年以降、中国資本によるカンボジア参入が急速に拡大しました。ここでは、カンボジアにおける中国資本(企業)の現状を見ていきます。


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カンボジアの最大援助国は中国

 

中国によるカンボジア進出(開発援助)は、2000年代半ばから始まり、習近平国家主席が誕生した2012年以降には急速に拡大しました。現在は中国が日本に代わってカンボジアを支援する最大の援助国となりました。中国はカンボジア支援を行うとともに、同国向けに年間で40億ドル以上の貿易黒字を稼ぎ、6億ドル前後を民間企業が直接投資しています。

その結果、カンボジアは対中貿易赤字が累積し、対中債務が膨らむことになりました。日本は民主化支援の名目でこれまでに10億ドル以上の円借款を供与してきましたが、民間による同国向け直接投資は中国の5分の1程度になります。

 

プリンスグループ/中国名:太子地産集団

 

現在カンボジアで最も勢いのある中国企業は、プリンスリアルエステートグループ(Prince Real Estate/中国名:太子地産集団)です。プリンスグループは、カンボジアに1200万平方メートル超の土地を所有しており、2000万平方メートル超の開発計画と20億ドル超の投資資本を所有しています。

おもに中国の投資家を顧客にして、プノンペン中心地にプリンスセントラルプラザ(37階建ビル)やツインタワーのプリンスモダンプラザ(27階建て)、ダイアモンドアイランド(コピッチ地区)には富裕層顧客を対象とした高級不動産物件など複数のプロジェクトを開発しています。

また、南部シアヌークビルでは、沿岸の新しいランドマークとして「プリンスティエンシーワン」を建設中で2023年3月に完成予定です。この施設は、5つ星ホテルやコンドミニアム、シアヌークビルで最大規模の免税店、豪華なショッピングウォークで構成され、IMAXシネマ、ヨットドック、ビーチも併設しています。

(左)プリンスセントラルプラザ
(右)プリンスモダンプラザ

(左)プノンペン・ダイヤモンドアイランド(コピッチ地区)にあるプリンスグループ本社屋
(右)シアヌークビルで開発中の「プリンスティエンシーワン」完成予想図

 

シアヌークビルが中国資本で「第2のマカオ」と化す

 

シアヌークビルはカンボジア南部に位置し、タイランド湾に面する港湾都市であり、また観光都市でもあります。シアヌークビルは綺麗なビーチのあるリゾート地として、数年前までは多くのカンボジア人や欧米人を中心とした外国人が休暇で訪れていました。

しかし、2015年頃から中国の現代版シルクロード経済圏構想「一帯一路」の影響を受け、中国の企業・人(駐在員、移住者、観光客)・資本が凄まじいスピードで押し寄せて、街中のいたる所で不動産開発が行われています。レストランやスーパーマーケットはもちろんクリニック、両替所など、ほぼ全ての施設が中国語表記で、通りを歩いている人もほとんどが中国人ばかりです。

現地のカンボジア人は「あそこは今ではチャイナタウンだよ」と話すほどです。公式の数値は発表されていないが、2019年のシアヌークビルに登録されている在住者数において、中国人がカンボジア人を上回ったと言われていますし、市内の賃貸物件の半分以上は中国人に賃貸されていると言います。

街のシンボルである「ゴールデンライオン」周辺は中国企業による建設ラッシュで風景も一変してきています。また、中国資本によるシアヌークビルとプノンペンを結ぶ高速道路の建設も進んでおり、今後さらに中国の企業・人・資本の流入が加速するでしょう。

不動産サービス大手CBREは、シアヌークビルの不動産価格は過去2年間に高騰し、1㎡当たり500ドル程度だった物件価格は5倍近くに値上がりしたと話しています。シアヌークビル市長も同様に、市内の賃貸物件賃料は2年前の2~5倍、地価は6倍近くになったと話しています。

(左)ゴールデンライオン周辺の開発風景
(右)中国語表記の看板が並ぶ街中

さらにシアヌークビルでは、中国人向け(観光客、移住者など)のカジノが急増しており、中国系カジノが約30軒、ホテル複合型施設は十数軒も建設されています。夜にはネオンが輝き、ひと昔前のゆったりとした時間の流れるシアヌークビルを知る人は、その変貌ぶりに驚くといいます。

カンボジアを訪れる観光客(移住者を除く)は、中国人が一番多く観光客全体の5分の1(シアヌークビルでは3分の1)を中国人観光客が占めます。現実に、シアヌークビル国際空港を利用する国際便の約7割は中国向けの発着となっています。

中国ではカジノが禁止されているが、アジアのラスベガスと称されることもある中国特別行政区のマカオには、大規模なギャンブルビジネスを認める特別な法律があります。ギャンブル好きな中国人のため、中国企業はシアヌークビルを「第2のマカオ」と考えて開発を進めています。

シアヌークビルに並ぶ数多くのカジノ

 

【プノンペン】中国企業がプノンペンにショッピングモールを建設

 

上海証券取引所に上場している中国の不動産開発企業ユエタイ(粤泰)グループは、プノンペンに新たなショッピングセンター「YT Mall」を建設するプロジェクトを発表しました。

「YT Mall」はプノンペン国際空港から近いStung Meanchey区に建設予定で、2020年のグランドオープンを予定しています。敷地面積は30,000㎡で、すでに進出している日系企業のイオンモール(1号店68,000㎡・2号店100,000㎡・3号店174,000㎡)と比較するとやや小さめです。周辺地域には大規模なショッピングモールがないため、「YT Mall」が地域住民にとって買い物や食事をする場所になることを目指しています。

また、広州粤泰は今年、カンボジアでの不動産物件販売収入を前年比5倍の6億米ドル(約650億円)に増やす目標を掲げていますので、ショッピングセンター建設により周辺地域の物件販売を促進させる狙いもあると思われます。

 

まとめ

 

中国資本の勢いは、ご覧のとおり凄まじいものがあります。急ピッチに開発が進むことで地価にもダイレクトに影響がでており、プノンペンやシアヌークビルの地価はこの数年で急騰しました。このように不動産市場が活発なカンボジアで、不動産投資を検討してみてはいかがでしょうか。

 

 

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