今、カンボジアは経済成長の真っただ中であることを知っていますか?
世界銀行は4月に発表した報告書で、2018年のカンボジアの経済成長率が7.5%であると発表しました。ASEAN(東南アジア諸国連合)の近隣諸国と比べても、カンボジアの経済成長率は抜けています。なぜ、こんなにカンボジアは経済成長を遂げているのか?その秘密について詳しく解説していきます!
世界銀行による最新の報告書によると
世界銀行は当初、カンボジアの2018年の経済成長率を6.9%としていましが、昨年12月に7.1%に上方修正しました。そして今回、4月に発表した最新の報告書「東アジア・大洋州地域経済報告」で、2018年のカンボジアの経済成長率を7.5%だったとの見方を示しました。また、クメール・タイムズが5月に伝えたところによると、米大手格付け会社ムーディーズ・インベスターズ・サービスも、2018年のカンボジアの実質国内総生産(GDP)成長率が7.5%だったと指摘しました。
経済成長のカギは縫製品輸出と建設ラッシュ
世界銀行は、好調な縫製品輸出や国内の建設ラッシュがカンボジアの経済成長を押し上げたと見ています。 カンボジアは輸出額の3分の2を占める衣料・製靴・旅行品の輸出が前年比17.6%増となり、前年17年の8.3%増から大幅に拡大しました。一方で輸入も大幅に増えており、特にバイクと建設資材の鉄鋼が、前者は同50%、後者は同48%も増えており、それぞれ内需の高まりが顕著であることを示しています。カンボジア経済は、長期的には製造業や農業に対する外国からの直接投資の増加が堅実な成長を支えており、近隣諸国との製造工程の分散や、物流システムの発達により、さらなる発展が期待できるとしています。外国からの直接投資のもうひとつの行き先が、不動産開発です。カンボジアではプノンペンを中心に、外国資本による建築ラッシュがいまだ続いており、最近ではプノンペン中心部に近代的なビルも建設されています。
このほか経済成長に貢献しているのは、観光業です。カンボジアには、世界的に人気の高いアンコール遺跡群に加え、プレアビヒア遺跡とサンボープレイクック遺跡が新たに「世界遺産」として登録され、観光スポットとなっています。さらに、カンボジア政府挙げての中国人観光客誘致政策が成功し、2018年にはそれまで最多だったベトナム人観光客を抜いて、中国人観光客が国別観光客第1位となりました。
また国内では、財政力の拡大に伴う公共投資の増加や、賃金の上昇に伴う国内需要の増加により、消費活動(内需)が活発化しています。
海外からの投資も経済成長を加速させた
中国を筆頭に海外からの直接投資も、カンボジアの経済成長を加速させました。海外からの直接投資で特異なのは、認可投資額の4分の3が中国資本だということです。その投資先は主に建設や不動産で、投資額全体の6割を占めます。特にカンボジア随一の海浜リゾート地シアヌークビルは中国資本による観光・不動産開発が相次いでおり、これまでの風景とは一変しています。プノンペン市内でも、中心地で建設が頓挫していた韓国資本の商業ビルが中国資本になって建設再開されるなど、中国資本による建設ラッシュが続いています。また、投資額2位の韓国も、投資額全体の8割が建設や不動産への投資になります。
2018年のカンボジアの投資認可額は、65億5000万ドルとなり、前年比15%増加しました。中国が全体の6割弱を占めている一方、日本も過去最高額を更新しており投資の勢いを加速させています。日本の投資先はインフラ整備や製造業・サービス業が中心であり、不動産開発が中心である中国や韓国とは多少異なります。
海外からの直接投資が続くことで、今後もカンボジアの経済成長が続くことが予想されます。
これからも成長するカンボジアに注目
カンボジアの去年の経済成長率7.5%は驚異の伸び率です。また、2011年以降の経済成長率も平均で7%を超えており、ASEANでもトップクラスの成長国へと躍り出ました。これからもカンボジア経済は、好調な縫製品輸出、海外からの直接投資の増加、公共投資の増加、国内需要の増加により右肩上がりに成長すると予想されます。経済成長は物価の上昇、そして地価の上昇を招きます。まだまだ地価上昇余地を残すカンボジアの不動産投資は、絶好のチャンスと言えるのではないでしょうか?