カンボジアになぜこんなに注目が集まっているのでしょうか?長期にわたる戦乱で大きな痛手を被り、「アジアの最貧国」などと揶揄されてきたカンボジアですが、現在は毎年7%近くの経済成長を遂げています。
政治・社会情勢の安定化が進んだこともありますが、カンボジアは経済成長のメインエンジンとなる若者が多く、労働者人口の比率からも成長性のある市場であることが最大の要因だと思われます。
人口ピラミッドは理想的な形をしており、今の経済成長を持続させるエネルギーとなるでしょう。
目次
カンボジアは富士山型の人口ピラミッド
人口ピラミッドとは、男女別に年齢ごとの人口を表したグラフのことです。 中央に縦軸を引き、底辺を0歳にして頂点を最高年齢者として年齢を刻み、左右に男・女別に年齢別の人口数または割合を棒グラフで表した「年齢別人口構成図」のことを言います。カンボジアの人口ピラミッドは、高齢者が少なく、若年層が多い富士山型となっています。この富士山型では「分厚い若年層」が注目すべき重要なポイントなのです。
カンボジア経済の原動力は、豊富な若い労働力
「分厚い若年層」とは、言い換えれば「豊富な労働力」であり、経済成長を進めていく上でのメインエンジンとなるのです。カンボジアの2015年の平均年齢は24.0歳であり、タイの35.5歳、中国の37.0歳と比べてはるかに若いです。ちなみに、日本は46.3歳になります。この豊富な労働力に魅力を感じている外国企業の多くは、カンボジアへの参入を始めています。
図は、1994~2016年までの各国のカンボジアへの直接投資累計額です。中国を筆頭に多くの国がカンボジアへ資本参入を行っております。昨年(2018年)は、カンボジアの国内外企業を合わせた投資認可額が総額65億5,000万米ドル(約7,290億円)となり、前年に比べ15%増加しました。その内訳は、中国が全体の6割弱を占めている一方、日本(日系企業)も過去最高額を更新しており参入の勢いを加速させています。
外国資本参入でカンボジア経済は発展し、外国企業で働くことで若年層の収入は安定しました。カンボジア国内では、当たり前にスマホは普及していますし、Facebookは日本よりも普及しているのではと思うぐらい利用しています。
こうした若年層の購買力を見て、また新たな外国資本参入が呼び込まれます。つまり、カンボジアの若い労働力が外国資本の参入を促し、カンボジア経済成長の原動力になっているのです。
さらに人口ボーナス期は2060年代まで続く
人口ボーナス期とは、労働力増加率が人口増加率よりも高くなり、人口に対する労働力が豊富な状態となることで、経済成長が促進される時期を指します。
この人口ボーナス期の国や地域は「若い国」ともよばれ、都市化の進展、工業化による所得増、消費活発化により高い経済成長率を実現する潜在能力があると言われております。日本でも1960年代から1990年代初頭までが人口ボーナス期であり、この間に急速な工業化と高度経済成長を成し遂げました。
カンボジアは、人口ボーナス期に突入したばかりで、2060年代までは続くと予想されています。他のアジア諸国では、人口ボーナス期が終了してるか、終了が迫っている国がほとんどです。カンボジアでは、これからさらに若い人材が増えていき、総人口は2080年まで増え、労働人口も2070年まで増えていきます。生産拠点を探している外国企業からみれば、この労働力(人口ボーナス期)はとても魅力を感じるはずです。
高度経済成長期の日本も富士山型の人口ピラミッド
図は、1950年の日本の人口ピラミッド(左)と2017年の日本の人口ピラミッド(右)を比較したものです。1950年を見ると日本も今のカンボジアと同じで、富士山型となっていました。その後、1960年代から1990年代初頭までの人口ボーナス期に突入して、この間に急速な工業化と高度経済成長を成し遂げました。
ASEANの成長国タイも富士山型の人口ピラミッド
図は、1980年のタイの人口ピラミッド(左)と2017年のタイの人口ピラミッド(右)を比較したものです。
世界では 1960年代の日本や 2000 年代の中国・タイのように、著しい経済成長を遂げて注目された国々には、「人口ボーナス期」が経済成長を後押ししてきた経緯があります。
1980年以降のタイのGDP推移グラフを見てもわかるように、1980年代の人口ボーナス期と共に著しい経済成長を遂げる結果となりました。しかし、2015年にタイの人口ボーナスは終了してしまい今後は、技術進歩・技術革新の時代に突入していくことになります。
まとめ
高齢化してしまった人口は元に戻らず、人口ボーナス期は終わってしまうと二度目はありません。従って、人口ボーナス期による高度成長も一回きりになります。言い換えれば、不動産高度成長(高いキャピタルゲイン)が起こるのも、一国で一回しかない機会(チャンス)という事です。
現在カンボジアは、人口ボーナス期に突入しています。日本をはじめ、中国やタイのように、人口ボーナス期を原動力にして経済成長を遂げた国々はいくつも存在しています。今後、カンボジアも人口ボーナス期という原動力でさらなる経済成長を遂げることでしょう。
そんなカンボジアの不動産投資は、今がオススメ時期と言えるでしょう。